農楽塾メールマガジン

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#=#=#    農楽塾だより        2005-6-24 発行
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#=#=#                                 http://www.nougakujuku.com
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福島県川内村より、里のたよりをお送りします。
暦の上では梅雨の季節に入りましたが、川内村でも雨の降らないカラ梅雨空。
今年の米、野菜、心配は尽きません。

標高500〜600mの川内村は、昼間は暑くても夕方には気温が下がります。
木々の間を吹き抜けてくる風は、濃厚な山の匂いを運んできてくれます。庭先
に迷い込んできたホタルを眺めながら、ビールでも…

http://www.nougakujuku.com


      ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 目 次 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

      ∞∞ 野生キノコ講習会 第一回 報告

      ∞∞ 草野心平ゆかりの天山祭 ご案内 7月16日開催

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┏ ──────────────────────────────── ┓
 #=#  野生キノコ指導者養成講習会
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	◆第一回のご報告


野生のキノコというと、代表的なものといわれて松茸を連想する人は少なくあ
りませんね。日本では秋の味覚の代表選手ですから当然です。その他に野生キ
ノコを知っていますかと質問されて幾つか答えられる人はそんなに多くはいま
せん。

スーパーなどで見かける「エノキダケ」「エリンギ」「ブナシメジ」などは人
工栽培もので、野生のものとは姿もだいぶ違います。このように日本人の食生
活にはキノコは欠かす事のできない食材になっています。

それではもともと野生キノコは森の中でどのような生活をしているのでしょう
か、そしてどのような役割をしているのでしょうか?

第一回目の講座は、午前中にフィールドワークをして実際にキノコを探しまし
た。昼食を挟んで、午後は採取したキノコを同定する作業をします。つまり座
学というやつです。今回はスライドを使った勉強もしましたが、これがこの講
座の基本パターンです。

第一回目の講座は、約18種類のキノコを見つけることができました。時期が
時期だけに個体数はそれほど多くはありませんでしたが、その中でも枯れ木に
でる「ニオイカワキタケ」には驚きでした。

名前の通り非常に香りのいいキノコなんです。うまみのあるおいしそうなにお
いとは違う香水のような香りとでも表現したらいいのかもしれませんね。森の
妖精が香水のかわりに使っていたとか?

歳がいもなくメルヘンチックなことを考えたりして・・・。


「スジオチバタケ」「モリノカレバタケ」「ヤナギマツタケ」「ハナオチバタ
ケ」「ヒトヨタケ」「チシオタケ」等など、18種類を同定することができま
した。

特に「カワラタケ」は、制ガン作用の在るものだそうで、現在日本では唯一の
ものだそうです。沢山とって商売しようなんて考えないで下さい。


ところでキノコは森林破壊のセンサー的な働きもしているそうです。酸性雨に
よる被害はまず菌類に及び、次第に森の樹木に及んでくるそうです。見た目に
は一挙に来ているようですが、森林破壊は前兆があるようです。酸性雨の菌類
に対するダメージはその前兆として認識されているようです。

この段階で森にキノコがなくなる等の被害が出ると、2年後には確実に森の消
滅につながるようです。ではなぜ?キノコと森の樹木との関係はどうなってい
るんだろう?

この場合のキノコは、菌根菌と呼ばれる種類のキノコ類で樹木との協働関係に
あるものをさしています。簡単にいうと森のキノコは菌糸を通して樹木の根と
結びつきお互いに養分のやり取りをしているそうです。この関係が酸性雨によ
ってダメージを受けることによって、樹木に養分が行き渡らなくなり森林破壊
につながるそうです。

さらにはこの関係は森全体につながっていて菌糸で覆われていると言っても過
言ではないそうです。森はこのように絶妙なバランスの上に成り立っているん
ですね。



皆さんは「ギンリョウソウ」を見たことがありますか?
「・・・ソウ」とありますが、緑の部分が全くなく読んで字の如く銀色をした、
何本かが株立ちしているいわゆる草です。

これも実は地中に於いて「キノコの菌糸」と密接な関係にあり、キノコの菌か
ら栄養分を頂いて生きているそうです。つまりギンリョウソウのあるところは
「キノコが出る」とのことです。キノコファンには取って置きの話ですね。

今の時期山を歩いてギンリョウ層を見つけたら覚えておくといいですね、
もしかしたら秋には大収穫があるかも・・・。
                             文責 井出茂



 途中参加もOK。第二回は7月10日です。

 ご案内・お申込ページ
 http://www.nougakujuku.com/event_kinoko.htm


┏ ──────────────────────────────── ┓
 #=#  第40回 天山祭 ご案内
┗ ──────────────────────────────── ┛

蛙の詩などで知られる詩人の草野心平氏と川内村は、昭和28年に村へ逗留し
たことをきっかけに交流を深め、天山文庫建設など村のあちこちに詩人の足跡
が残されています。

生前こよなく川内村を愛した詩人、草野心平。今でも村の人々は、親しみを込
めて「心平先生」と呼んでいます。

草野心平氏を囲み、手作り料理でふるまった天山祭を今年も開催します。
第40回という大きな節目を迎え、生前の草野心平氏を偲び、ゆかりの詩人や
村人とともに思い出の天山文庫で交流会を行います。

	日時 :7月16日(土曜)12時30分〜
	場所 :天山文庫前庭
	参加費:500円(料理つき)


くわしいご案内
http://www.kawauchimura.jp/event/050613001.htm


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NHK教育「にほんごであそぼ」で草野心平氏の詩が朗読され、カエルに扮し
た野村萬斎さんのコミカルな演出で子どもたちにもわかりやすく紹介されてい
ます。

やさしい言葉で宇宙にもつながる気宇壮大な概念を表現したかと思えば、難解
な抽象概念にも飛躍する草野心平の世界を、彼の眺めていた風景とともに体験
していただけたらと思うものです。

詩人や芸術家たちが舌鼓をうったであろう、地元のおばちゃんたち手作りの料
理もぜひ味わって下さい。


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編集後記

田舎暮らしを決意して引っ越したその夜。真っ暗な庭先でふわふわと飛ぶ光に
「きゃ〜オバケが出たぁ!」夏の怪談ならぬホタルの歓迎だったのでした。
湿度の高い山際や田んぼのそばなら、当たり前のようにホタルを見かけます。
見上げれば星明かりの夜空。天上にも地上にも光がいっぱいの夏です。(D)

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