ベニタケのグループを見分ける

フィールドワークしていると目立つ真っ赤なきのこ。阿武隈では、主に5種類の赤いきのこが発生するので見分け方を覚えよう。

まずは、柄の色が「白」か「ピンク(赤)」かで大きく分類します。

柄が白(2種類)
傘を囓ってみて「辛い」・・・ドクベニタケ
傘を囓ってみて「辛くない」・・・ドクベニダマシ
柄が赤、赤のぼかし(3種類)
真っ赤な色、針葉樹林に生える(松林)・・・チシオハツ
広葉樹林に生える・・・ヤブレベニタケ
針葉樹・広葉樹どちらも出る、赤と白のぼかし
・・・ニオイコベニタケ

独特の臭いがある、ニオイコベニタケ。一般的には「カブトムシの臭い」と言われていますが、「1日たったスイカの皮の臭い」「三角コーナーの臭い」と表現した方もいました。つまりそういう臭いです。

きのこは生で食べると食中毒をおこします。見分けるために、わずかな量を口にしましたが、通常は生で食べてはいけませんので念のため。

ベニタケの見分け方

フィールドワークの成果・主なきのこ

■アカカバイロタケ

アカカバイロタケ

傘の裏のヒダが分岐しているのが特徴。乾燥してくると、ニシンの腐った臭い(クサヤの臭い)がする。食べるとぴりぴりした刺激があり、食べられない。

■ツエタケ

ツエタケ

柄は固いが、傘を鍋にすると美味。ゼラチン質あり。

■きのこの菌糸

黒色菌糸

髪の毛のような菌糸の束。菌糸が1000本ほど束になったもの。人間の髪の毛に見間違うような形状なので、山中の怪談になることも。

■ミネシメジ

ミネシメジ

黄色いもの、オリーブ色のもの、黒っぽいものなどがあり、20cm以上の大きい個体もある。あまりおいしいきのこではないが、きのこ鍋の増量に良い。

■ヌナワタケ

ハイイロナメアシタケ

雨のあとには、ぬめりがみられる。柄の部分にぬめりがまだ残っているのが、写真でもわかる。

【追記】
ヌナワ=ジュンサイの意味で、柄のところのヌルヌルがジュンサイを連想させるとか・・。(K)

■ムレオオイチョウタケ

ムレオオイチョウタケ

その大きさと存在感に圧倒されますが、独特の臭いがひどく、食べられません。放っておくとスイカくらいの大きさになるとか。形が似ているきのこに「オオイチョウタケ」があり、こちらはいかにもおいしそうな匂いがするので、見分けられます。

恐いものみたさといいますか、てんでに臭いを嗅いでは「おばあちゃんちの納屋の臭い」「地下室の臭い」「蔵の臭い」「ホコリの臭い」参加された皆さんの表現が面白い。

■ベニヤマタケ

ベニヤマタケ

オムレツにするとおいしい。

■オオキツネタケ

オオキツネタケ

食用。アンモニアを分解する菌で、キツネやタヌキのおしっこの後に出る。根の菌糸が紫色をしている。

■チシオタケ

チシオタケ

倒木から発生する。赤い汁がでてくるので、この名前がある。傘のふちがギザギザしている。

■ウラベニガサ

ウラベニガサ

倒木から発生する。傘の裏がベニ色となる。

前のぺーじへつぎのぺーじへ