フィールドワークの成果・主なきのこ

■タマキクラゲ

キクラゲの仲間。雨に当たったので、ぶよぶよした感触だが、乾くとカチカチになる。ボールペン程度の細い木に発生する。食べられる。5月初旬頃に発生するので、今の季節の発生は遅い。

■ヒノキオチバタケ

ヒノキオチバタケ

針葉樹につくキノコ。杉の枝から出ている。ホウライタケの仲間。乾燥すると縮む。広葉樹にもにたようなきのこがでるが、こちらには名前がついていない。

■クロハツ(クロハツの仲間)

「ハツ」と名前がついているのは、きのこの柄を手でもむとボロボロになるタイプ。食用かどうかの判断が難しい。

■スジオチバタケ

スジオチバタケ

固くて食べられない。傘がひらくとスジがなくなる。幼いとスジが見える。

■サンコタケ(三鈷茸)

サンコタケ

独特の糞臭がある。柄の下に卵状のものがあり、そこからのびてこのような形状に。先端に黒い粘液がついていて、ここが臭いの発生源になっている。粘液に胞子があり、糞臭にあつまってきたハエに胞子を付着させて拡散する。時間とともに臭気が広がり、講習会の会場はサンゴタケの臭いでいっぱいに・・・

■ウラベニガサ

おいしくないが、食べられる。胞子がでる前は傘の裏が白いが、胞子の色がピンク色(肌色)なので、成長した傘の裏はピンク色に見える。

■フサヒメホウキタケ

ホウキタケ

ホウキタケは古来から各地で食用にされてきたが、食用にしているキノコの種類が異なっていたことから、現在のところ性質について調査中。

■アラゲキクラゲ

アラゲキクラゲ

阿武隈地域には、本当のキクラゲはほとんど見られない。多くはこのアラゲキクラゲ。歯ごたえがあって美味。

フミヅキタケ

柄の途中に「つば」がついている。つばの茶色は胞子が降りかかった為の色。

きのこは子孫を残すための手段で出てくるので、胞子を守ることが大切になる。傘の裏のヒダを守るためについていた膜が割れて垂れ下がり、「つば」となる。

■タマチョレイタケ?

絶滅危惧種か

木に白いきのこが一本だけ発生していたので、枝ごと講習会会場へ。タマチョレイタケなら、絶滅危惧種だが・・・。

■マメホコリ

マメホコリ

変形菌。動物ときのこの中間に位置している生物。アメーバ状になって移動し、キノコ状になって胞子を出して子孫を残す。水槽等で飼うこともできるとか?

■ニオイカワキダケ

ねっとりした香水のような良い香りが特徴。受講生からは「トイレの香水みたい」との声も・・・

■エツキクロコップタケ

エツキクロコップタケ

■チャワンタケの仲間

チャワンタケの仲間

採取した際に、傘の表面から胞子が放出されるのが観察された。蒸気が上がっていると見間違えるほど、白く大量に胞子が飛散した。傘の裏から胞子を出すタイプのキノコは、ヒダの裏に4つずつ胞子がついている。傘の表面から胞子を出すタイプは、胞子の袋が表面にあり、8個ずつ(例外のケースも有り)胞子が並んでいる。

胞子を顕微鏡で観察すれば、キノコの種類を特定できる。(現状では、カニタケ、フクロシトネタケ、オオシトネタケのいずれか不明)

−−【講習会後の情報】−−

その後の調査で、オオシトネタケ、フクロシトネタケ、カニタケのいずれでもないことが判明しました。 胞子の入っている袋がヨード反応陽性(ヨード液で青く染まる)したことから、チャワンタケ科チャワンタケ属であることは確定できましたが、 チャワンタケ属に位置するキノコは、国際的に登録されているものだけでも数千種あるとのことで、文献にあたっての調査は困難を極めるため、 名前までは特定することができませんでした。

■ピンタケ

ピンタケ

丸い粒だけのようにみえるが、よくみると小さい柄が見える。

■チシオタケ

チシオタケ

クヌギタケの仲間。かさのふちが切れている。傷をつけると赤い汁がでることから、チシオの名がついている。

これから傘の裏がスポンジ状になっている「イグチ」の仲間のきのこが増えてくる。来月の講習では、夏のきのこがたくさん採取されるのでは?

番外編 ギンレイソウ

ギンレイソウ

「新種のキノコだ!」思わず声が上がりましたが、これは植物。白いのは葉緑素がないためで、自分で栄養がつくれないのでキノコに寄生しています。お間違いなく。

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