御田植の儀

宮中の新嘗祭(にいなめさい)に供する「ひとめぼれ」の御田植祭が5月27日、福島県川内村の献穀田(秋元美誉氏)で行われました。神事に則り、かわいい早乙女さんたち、太夫さんが苗を植え、五穀豊穣を祈念しました。

福島県内の農家から毎年「奉耕者」を選び、11月23日に宮中で行われる新嘗祭に米を献上しているのですが、今年は川内村から秋元美誉氏が選ばれました。

祭には御田植には県農林事務所や村長などの行政関係者、JA関係者、地元の方々など約100人が出席し、神事の後、白装束、黒烏帽子(えぼし)姿の秋元さんや、かすりの着物姿の早乙女(秋元さん親族)さんが苗を植えました。

御田植祭次第
一、開会
二、神事
  一、修祓の儀
  一、降神の儀
  一、献饌の儀
  一、祝詞奏上
  一、斎田清祓
  一、御田植の儀
  一、東郷青年団 神楽舞
  一、玉串奉奠
  一、撒饌の儀
  一、昇神の儀
三、経過報告
四、祝辞
五、献穀者挨拶
六、御神酒拝戴
七、閉会

御田植祭

御田植祭 献穀田 田植え道具
田植祭の準備。献上米用の圃場(田んぼ)は竹と縄で結界が張られ、きれいに代かきされていました。手植えのためのすじをつける道具も、今回のためにわざわざつくられたとのこと。ガジボウという名前で、1尺(30cm)間隔で線が引けるようになっていて、線を引く部分は竹、それ以外の本体は杉でできています。これを縦横に引いてその交叉点に苗を植えます。昔はどの家でもガジボウを持っていて、納屋の壁などに立てかけてあったそうです。 周囲で見守る地元のお年寄りから「きれいな代かきだぁ」と声がかかります。機械植えがすすみ、手植えするための道具や作業工程は、地元でもめずらしいものになってしまいました。
祭壇 秋元美誉夫妻 早乙女
神事の決まりに従って祭壇が奉られ、なにをいくつ奉じるのか、細かく指示があります。本日の主役、ひとめぼれの苗。通常使われる苗とはことなり、水耕栽培されたもので、根に泥がなくきれいな状態です。一束ずつ稲藁でくくってありました。揃いの衣装の早乙女さん達は、手順を何度も確認しています。早乙女に扮するのは、秋元家一族の女性たち。かわいい早乙女も混じっています。
列席者 神事
上諏訪神社の宮司により、神事が執り行われます。
田の周囲には多くの地元民が集まり、儀式を見守っていました。
斎田清祓 斎田清祓 斎田清祓
宮司による圃場の清め。田をぐるりと回り、四方から斎田清祓をおこないます。アイガモの小屋の前でも清めの儀を執り行い、除草に活躍するカモ達の安全と健康が祈念されたようです。
田植の儀 早乙女 早乙女
早乙女 早乙女 田植え
御田植の儀。太夫、早乙女が田に入って、4列ほど苗を植えました。田の泥に足をとられるかわいい早乙女を周囲に集まった人々が見守ります。4列ほど植えたところで儀式は終了。大役をつとめた早乙女があぜ道を帰っていきます。

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